web版 収納講座

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収納マンがこの仕事を始めたころ、まだ収納についての
理解が浅かった当時にセミナーでもお話していた内容です。

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収納方法は、そこに住む人の性格や、家族構成、住環境、収納物などによって変わってきますが、ここでは「収納」について、以下のように定義したいと思います。

収納とは・・・
  1.普段使わないものを片付けること
  2.身の回りのものを整理すること
  3.生活動線や作業動線を確保すること

多少分かりにくい言い回しがあるかもしれませんが、以上のように定義すると、おのずと「収納方法」というものが、分かってきそうです。以下、これらの定義を基に、分かりやすく「収納方法」について、説明していきたいと思います。

1-1.不必要なものとそうでないものを分ける

もし、今あなたの部屋が火事になったら、何を持って逃げますか?最低限は自分の命、その次に命の次に必要なもの・・・・・まあ、いろいろとあると思いますが、逆に言うと、絶対持っていかないであろうと思われるものがたくさんあるはずです。それらの大半が不必要なものと考えても、差し支えないと思います。
では何故、今までこの部屋にあったかというと、多くのものが「あると便利なもの」や「いつか使うであろう物」、「捨てるのが惜しいもの」であると考えられます。当然、季節物(洋服、食器類、冷暖房器具など)、趣味のもの(コレクション、趣味の道具など)、記念品・思い出の品物(他人からの贈り物)など、特別な範疇なものがありますが、ここはひとつ、1年間使わなかったものはすべて処分対象とし、その中から、それでもいるものを分けてください。
なお、いくつも取ってあるキレイな包装紙やスーパーのビニールなどのものは、少数を除いて捨ててしまうべきです。
また、この際、いっぺんに部屋全体、家全体を片付けるのではなく、部分的に、例えば今日は部屋の隅の棚の辺りだけ、といった感じで、徐々に進めていくことをオススメします。なぜなら、部屋の片付けは徐々に進めていくのが理想的で、一度やって疲れてしまうと、次はまた散らかるまで放って置く傾向があるからです。
また、時間は1~2時間程度に決めてやってください。ダラダラやると疲れますし、ついつい思い出の品を見つけて、思い出に浸ってしまうからです(誰にでも経験はあると思いますが・・・)。

1-2.普段必要なものは手前に、使わないものは奥に

不必要なものを処分したら、次は実際に片付けていきます。片付ける点で重要なのは、「物の存在意義」です。「物」とは通常、使うために存在するのですから、頻繁に使うものは頻繁に出し入れできる常態にしておく必要があります。
しかしその上で、普段使わないものも出しにくい状態では困ります。そこで重要になってくるのが、物の奥行きと、そのものを収納する棚や引き出しの奥行きです。例えばフォークやスプーンを引き出しに片付ける場合、その引き出しの内部を手前と奥で仕切ってしまいます(実際に仕切りを付けなくてもいいです)。
また、シャツなどの場合も同様です。この際、シャツは畳むのではなく、巻き寿司のように丸めてしまうと収納がしやすいです。雑多なものなどは箱に入れて、箱にはその中身が手前から見て分かるように記して片付けましょう。

1-3.使わないものにはフタ

テレビでやってる他の収納アドバイスなどでよく見かける収納テクニックで、棚の中が見えないように何でもかんでも布を棚の縁に貼って、中身を取り出す度にその布をめくることになってしまう、というのがありますが、この場合、普段使わないもの、お客様を通す場合に見苦しいもの、ほこりが入っては困る食器類などの場合に限定しましょう。
普段よく使うものは、1アクションで取り出せるように片付けるのが常識です。布がかかっていると、①布をめくり、②物を取り出す、の2アクションになってしまいます。先程述べた「普段必要なものは手前に、使わないものは奥に」も同じ原則です。ですから、逆に頻繁に使うテレビのリモコンなどは、「フタ」をする必要はありません。

2-1.普段使うものをその頻度順にランク付けする

ランク付けとは、毎日使うもの、2~3日に1回使うもの、1~2週間に1回使うもの、1~2ヶ月に1回使うもの、1シーズンに1回使うもの、などのように一定の期間中に使う頻度にあわせて分類することです。使う頻度にあわせて、頻度が高いほど手の届きやすいところに、頻度が低いほど、奥のほうに片付けます。

2-2.物の居場所を決める

使う頻度(ランク)で物の位置を考えたように、使用用途によって物の位置を決めます。例えば、いくつか引き出しや箱があったら、同じ系統(カテゴリ)のものに分けて収納していくと、探し物をしても散らかしてしまうこともありませんし、系統(カテゴリ)が分かりにくいものでも、比較的近いような系統(カテゴリ)のところを探せば、すぐ見つけることができます。逆に新たに何かを収納するとき、系統(カテゴリ)を決めてから収納すればいいわけで、収納場所に困って放置しておくこともなくなります。従って、系統(カテゴリ)分類するときは、ある程度収納場所に余裕を持たせておくことも重要です。

2-3.統一して並べる

先程の系統(カテゴリ)分類も統一して並べる手法の一つですが、ここでは収納効率について説明したいと思います。例えば、段ボール箱をいくつか使って収納する場合、それぞれ大きさが違うと縦に積んでも横に並べても余分な隙間ができてしまいます。
上手な収納の鉄則として覚えておいて欲しいのは「余分な隙間は敵だ」ということです。実際、大きさの違う箱は、片付けるときだけでなく、取り出すときにも不便です。ですから、多少お金はかけても、箱や家具は他のものと大きさを揃える事が大事です。
横に並べるときの奥行きと高さ、縦に並べるときの横幅と奥行きには、十分注意を払い、ある程度余裕を持った容積を確保するのが大事です。また、色やデザイン、素材を統一できると、なおよいでしょう。

3-1.何をする部屋か考える

リビングに鍋のある家はなかなかないと思いますが、よくよく考えると何をする部屋だったのか分からない部屋になってしまっていることがあります。もちろん、普通の家にそんなにいくつも部屋があるわけもないですから、いくつかの用途は兼ね備えていて当然です。
しかし、その部屋がどういう部屋であって欲しいか、イメージすることが重要です。例えば、リビングならくつろげる空間であることが一番重要です。ここにゴチャゴチャ物を置いて狭苦しくなってしまうと、たいていの人はくつろげないはずです。ですから、こういう場合は、リビングがすっきり片付くよう、収納家具を考え直すか、他の部屋に物を移動することを考えたほうが得策です。
また、寝室で着替えをするなら、衣装類は何とかして寝室にすべて収納することが理想的です。スペースに全く余裕がなければ、季節ごとに入れ替えるようにすることをオススメします。また、その際は季節ごと、個人ごとにカテゴリを分けて収納する方法を考えることも重要です。

3-2.生活パターンを考える

人間誰しも「クセ」があるのは当然です。ですから、収納もその「クセ」にあわせて考えることが重要です。単純なところでは、人間は縦に並んでるものは上から、横に並んでるものは左から見ていく習慣があることを覚えておくとよいでしょう。また、例えば朝、出掛ける準備をするのに部屋をあっちこっち出入りするのも考えものです。生活動線や動作動線を考え、それに沿って物を配置しなければなりません。
また、生活動線を確保するためには、生活動線を妨げる、廊下に並べられたものなどは、安全上・防災上の観点からも直ちに撤去し、他の場所へ移すことを考えなければなりません。ここでは、それぞれの人が持つ「クセ」を個別に検討する余地もありませんし、部屋割りの現実的な制限もあるので、具体的な解決策を示すことはできませんが、一ついえることは、「家は物を収納するためにあるのではなく、人が生活するためにある、極めて人間本位なもの」であるということを忘れないようにしてください。

3-3.収納は高低差が決め手

色々と理想論に近いような、頭で理解はできても実際はなかなかできないことを言ってきましたが、限りあるスペースの中で、いかにして収納するか、これが一番重要で、かつなかなかできないことです。しかし、スペースがないなら、上に向かって収納するしかありません。どんなに収納スペースに困っている家でも、「ウチは天井までビッシリ、全壁面埋まっています」なんて家は、なかなかないと思います。ですから、収納場所に困ったら、まず上を向いてください。きっとそこには多少なりとも隙間があるはずです。
隙間が見つかれば、そこにダンボールごと物を置く、家具との隙間なら突っ張り式の収納棚や吊り下げ収納を設置する、アングルを組んで天井いっぱいまでの収納に変える、などなど上に向かって収納を増やすなら様々な方法があります。ただし、ここで気をつけて欲しいのは、よく使うものは高さ1mくらいの場所に置くということ。これは人間工学に基づいた設計です。
また、天井いっぱいまで収納を作ると、圧迫感が増し、部屋が狭く見えるということも覚えて置いてください。なお、この場合は、できるだけ濃い色を避けたほうが圧迫感が出ません。覚えておくとよいでしょう。

いかがでしたか?多少は参考になったでしょうか?ここに書いてあるのを読んで、「そんなこと言われなくても分かってる!それでできたら苦労しない!」と思った方、一度、シーベックス・インテリアにご相談ください。「これ、おかしいよ」、「ここのところ、もうちょっと分かりやすく説明して!」という方は、掲示板に書き込みしてください。

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