web版 収納講座

収納の経済学

片付けないと損をする!収納で楽して得する!
収納することで得られる家計の節約効果とは

収納の経済学

収納の目的は、ズバリ「効率化」。それは、大きく分けて3つあります。

  1. 場所の効率化
  2. 作業の効率化
  3. 管理の効率化

効率化するということは、無駄をなくすということです。無駄をなくせば得をします。つまり、収納上手は節約上手!逆に言えば、収納が下手な人は、すごく損をしている・・・・というわけで、場所、作業、管理の3つのポイントで、節約術を身に付けましょう!

1. 場所の効率化

家全体に占める収納スペースは、床面積の10%程度と一般的に言われていますが、それはあくまで建築での話。6畳の和室に1間(幅180cm)の押入れが1個ついている割合で床面積の14%、同様に1間のクローゼットが付いた6畳の洋室で9.5%ですから、建築上は10%という数字は間違いありません。しかし、造り付けの収納スペースのほかに、フリーラックや書棚や食器棚、タンスなど、様々な収納家具があるのが一般的です。私の経験から申しますと、一般的に1部屋当たりの収納スペースは5ロケーション前後(幅90cmの収納スペースが5箇所分程度)ですから、トイレや風呂や廊下を除いた居室部分に関しては床面積の20%前後、また家全体では床面積の15~20%が収納スペースになっていると考えられます。

そうすると仮に賃貸で月8万円ののお住まいとすれば、収納スペースに毎月16000円も払っていることになります。年間に192000円です。十九万二千円ですよ!?「あ~、もったいない!」と思って取っておいたほとんど価値のないモノに、そんなにお金を投資していると思ったら、イヤになりますよね?もちろん、必要なものが大半だとは思いますが、実際住んでるだけでモノに対してそれだけの投資をしてしまっているわけです。

そういうわけですから、収納スペースをうまく使えるように収納グッズを買うのは仕方がないし、またたいした金額でもありませんが、モノが多いからと言ってリフォームをしたり、物置を買ったりするとなると、結構な額になります。リフォームの場合は通常、収納スペースの増設だけで終わらないことが多いので、金額は分かりませんが、物置は1間幅の押入れと同じぐらいの大きさで7万円程度が相場です。維持費がかからないことを思えば、決して高くはないとは思いますが。また、レンタルボックス(貸しコンテナ)の場合、押入れ2個分のスペースで15000円前後(首都圏)が相場ですから、先ほどの試算で行くと同様に年間20万円近くの投資をすることになってしまいます。

とにかく、モノが占める土地代というものは意外と高い!1品減らしたからといって、何か得をするわけではありませんが、「チリも積もれば山となる」、100円均一で何でも手に入る、コンビニでいつでも買える、ネットでショッピングが出来る、そんな便利な時代ですから、モノを持たないほうが得になります。流通の世界でも、いまや在庫を持たないのが当たり前。引越しをするときなんかでも、モノが多いと費用も手間もかかりますし、ストレスも溜まります。モノがないシンプルライフは、最高の贅沢で、最高の得ですよ!

2. 作業の効率化

モノがキチンと片付いていないと、モノを探し回ったり、無駄に多く動かないといけないので、不必要に時間やエネルギーを費やしてしまいます。また、キチンと片付いているようであっても、適材適所に配置されていなければ―――例えば、普段使う皿が食器棚の上のほうにあったり、床下収納庫に収まっていたり―――同様に無駄な動きが生じます。この無駄を金額に直すのは難しいですが、「アクション」という指数で表すことが出来ます。例えば、食器棚の中の皿を取り出す行動は、「扉をあける」→「取り出す」という一連の動きで、アクション数は2となります。同様に、皿が箱の中に入っていれば、「扉をあける」→「箱を取り出す」→「皿を出す」の3アクションとなります。

また、例えばキッチンについてお話しすると、ガスレンジとシンクと冷蔵庫の3つを結ぶ線を「ワークトライアングル」と言いますが、この三角形の辺の和は360cm前後が理想とされています。当然、この数値を大きく超える場合は無駄な動きが多いと言え、仮に三角形の辺の和が480cmだったとすると、標準より33%無駄に動かないといけないということになります。また、時間やエネルギーも同様に20~30%程度、無駄に費やすことになります。

朝、出掛ける前に身支度をする場合も同様です。人によって行動パターンは違うと思いますが、無駄に動いていることが多くありませんか?一連の動きを思い起こして、もし「コレがココにあったら便利なのになぁ~」と思うものがあれば、モノや収納家具の位置を考え直してみるのもいいでしょう。

3. 管理の効率化

数多くあるモノの中には、ストック類もあります。食品、洗剤、日用品、薬など、1部屋に1つ以上あって当然です。ですから、これらの在庫管理をするのは大変です。誰でも、思い出したように買ったら、あとで「しまった!まだあった!」なんて経験はあると思います。だからといって、会社のように毎月棚卸をするはずもありませんし、ストックの量は頭の片隅で把握するしかありません。

ですから、頭の中で把握するには、写真で残すようにイメージを頭の中に焼き付けるのが一番効率が良いのです。受験の世界では「丸暗記」というものがありますが、丸暗記されたものって、例えば参考書の1ページそのままが頭にインプットされていたりしていませんでしたか?これと同じように、頭にインプットしやすいように、ストック品を整列させるのがコツです。乾物のストックはココ、レトルト食品のストックはココ、お菓子のストックはココ、という具合に場所を決め、容量を守るようにします。その容量を超えてしまうと、決まった場所以外にストックを置いてしまい、在庫把握のイメージが出来なくなり、無駄な買い物をする羽目になります。

また、冷蔵庫の中のストックの場合も同様ですが、できるだけ量を抑えないと、電気代の無駄につながります。冷気の噴出し口と壁際を避けて並べ、常温保存の調味料などが混ざっていないかをチェックしましょう。

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