収納格言

収納格言(131~140)

なぜ片付かないか、片づけるとどんないいことがあるかが分かる収納格言。
「収納のコツ」の何たるかが会得できるかもしれません。

第百三十一条 「収納は器を知ることから」

第130条で「収納は自分を知ることから」ということを申し上げましたが、自分という器、家という入れ物について知ることも大事です。例えば水をコップに入れる場合、200mlの容積のコップには200ml以上の水を入れることは出来ません。仮に表面張力で210mlを入れたとしても非常に飲みにくいですし、こぼしてしまうリスクも生じます。
当たり前ですが、器以上の容積のモノは収まりません。また、「時間があれば」「お金があれば」と思っていても、時間が無いから片付かないと思っている人に時間が手に入っても片付け以外に時間を割きますし、同様にお金に余裕が出来ても違うことにお金を使ってしまうのです。
「やらない理由はやる理由」と言いますが、自分の器を知って、自分の出来る範囲のことを精一杯やることが大事です。

第百三十二条 「キッチンを制す者は収納を制す」

ちょっと大袈裟ですが、それほどキッチンは重要だということです。キッチンには収納の基本が凝縮されています。他方で条件が他の家と比べてそれほど大きく違うわけでもなく、通常は一人が管理をしていることが多いため、キッチンを見ればその人の収納の力量が分かるというものです。逆に言うと、キッチンが片付けられないのに他の場所が片付けられる道理はありません。ですからまずはキッチンを制することが重要なのです。

第百三十三条 「道理を知れば収納が分かる」

物事には何事も道理・・・・すなわち考え方の筋道というものがあります。例えば、裏の無いコインはありません。裏と表があってはじめてコインなのです。また数学の世界では「0(ゼロ)」という概念の発見により、「-(マイナス)」という領域があることが分かるようになったのですが、これも一種の道理です。
収納に於いても、全ての要求を満たすことは出来ません。また、自分自身を知ることが解決への糸口になります。収納は考え方で決まるものですから、冷静に筋道を立てて考えていけば、自ずと解決の方向に向かうのです。

第百三十四条 「便利なモノは収納を不便にする」

基本的にモノというのは生活を便利にするためにあるものです。ですが生活に絶対に必要というモノは意外と少なく、「あれば便利」という程度のモノが大半を占めるというのが実情です。TV通販を見ていて琴線に触れる商品などはまさにその典型で、冷静に考えれば必ずしも必要であるというわけでもなく、またそれほど飛躍的な効果が望めるモノであるはずも無いということが、後になってから分かってしまうものですね。
物事には一面的に判断できないことのほうがむしろ多いものです。一見便利そうなモノが実はとんでもなく厄介なものだったりします。大は小を兼ねる・・・・この言葉などは収納では当てはまらないということですね。

第百三十五条 「収納の基本は人生の基本」

片付いていないということは自分の頭の中も混沌としていると断言して間違い無いと思いますが、本当に収納の考え方というのは人生全般の考え方と同じだと思います。
いま片付いていなくてそれをなんとかしたいと考えているあなたは、片付けという問題をクリアしたいのではなくて、人生に起こっている問題の一部である片付けという問題を解決したいに過ぎないのです。
アメリカでは日本よりも少し早く収納ブームが来たのですが、この混沌とした世の中で自分の思い通りにならないことが多く、人々がせめて自分のモノだけでもコントロール(統治)したいと考えるようになったことが背景だと言われています。あなたも、世間に流されず、自分のモノや自分の人生をコントロール出来るようになりたいと思いませんか?

第百三十六条 「転ばぬ先の収納」

「転ばぬ先の杖」ということわざがありますが、収納もそのための杖のようなものです。どうしても収納は散らかってから考えることが多いですが、本来は無駄な手間やコストなどを省くために事前にやっておくのが収納です。転んでから収納することが無意味なことではありませんが、同じ失敗を繰り返さないように改善していき、同じところで転ばないようにする必要があります。

第百三十七条 「真の収納は己のみぞ知る」

収納はほぼ100%考え方で決まりますので、考え方を変えない限り改善の余地は無いのですが、かと言って聖人のように自分を変化させるのは現実問題として困難です。そこでやはり重要なのが、自分を知るということです。
自分にとって、何が譲れないところか、何は譲れるのかを考え、バランスを取りながら、自分が譲れない事柄を中心に物事を組み立てていくのが収納です。決して、モノを並べていくのが収納ではありません。

第百三十八条 「収納と模様替えは違う」

なんだか久しぶりにビシッと言い切った感じですが、第四条 「収納とインテリアは区別すべし」と第七十七条 「事件は現場で起きている」を足した意味合いのものです。
気分転換に片付けや模様替えを行うことは良いのですが、 「収納は破壊することから」(第二十一条)とは言え、何でもかんでもぶち壊してはいけません。なぜなら、いまある状態はある意味では、妥当な状態と言えるからです。つまり、今目の前に置いてあるモノには「そこに存在する理由」があるからです。案外、そこに置くのが使いやすかったりしますから、別の場所にしまいこんでしまうとまたそこに戻ってくるかもしれません。
家具のレイアウトにしても然り。その状態が妥当と考えるから、またはそのようにしか置けないからそうなっているのであって、無理矢理新たに家具を買い足したり、配置換えをしても上手くいかないことが多いのです。
収納はモノや家具の位置を変えれば良いのではありません。むしろ今目の前にある意味あるモノの状態を把握し、そこから原因と対策を考えなければなりません。

第百三十九条 「収納は自動化できる」

収納は、日々出し入れするものと、季節や時間の流れに応じて変化するものの、大きく分けて2つに分類できると思います。また、前者ではさらに、日々機械的にやっている料理や着替えなどの作業と、趣味のモノなど頭を使ってする作業の2通りに分けられると思います。
我々は日々、機械化による大量生産の恩恵を受けて生活していますが、質はともかく、日々の家事が機械化できれば素晴らしいということは言うまでも無いでしょう。実際、洗濯機、食器洗い乾燥機などはその典型です。ですが片付けはまだ機械はやってくれませんが、自分や家族の考え方や習慣的行動をプログラムにトレースすれば、片付けで非常に時間的割合の高い「日々機械的にやっている料理や着替えなどの作業」は自動化=省力化出来るのです。ちょっと意味が分かりにくいかもしれませんが、つまるところ、まず自分や家族の考え方や習慣を知り、それに合わせて収納を考えるということです。

第百四十条 「収納のコツは無理しないこと」

何事もそうですが、無理はいつか必ず破綻します。他人は他人、自分は自分。自分の限界を知ること無しに無理をしようとしても長続きしません。
収納でよくある失敗は「カリスマ主婦」を真似ること。カリスマ主婦の多くが子供に手間が掛からなくなった方や、時間や経済面でゆとりのある方だったり、ものすごく几帳面な方だったりしますが、そういう方を真似ようとしても、昨日今日頑張ったところではちょっと追いつけません。
特に見た目の面と収納の機能性の両立については、相反することを同時にやりこなそうとするわけですから、特に注意して無理しない、無理させないようにしましょう。

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